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こちらは二次創作サイト兼お料理ブログとなっています。
CPはギャグ/日のケン藤です。
CPはギャグ/日のケン藤です。
「藤田ー藤田ー」
作る料理が増えたお陰で町内の人たちのたまり場になりつつあるこの喫茶店。
しかし昼時、休み時が過ぎればあっという間に暇な時間がやってくるのだ。
そんな時に、テーブルに体を預けてだらけているケンジがオレを呼んだ。
「何?」
鬼男君に頼んでバレンタイン用のチョコデザートを練習している時だったので適当に返事を返す。
「藤田ぁ…こっち来いよ。」
「もう。オレ、今、頑張り中なの!」
「頑張り中って…余ったチョコポリポリ食べてる音しか聞こえねぇんですけど。」
オレは片手に持っていた余ったチョコを背中に隠しながらケンジの傍に立った。
「まぁ、座れ。」
そして言われるままに横に座ると、ちゅうっと唇を奪われた。
口の中でとろけたチョコを舌で奪われる。
「あの、ケンジ?何やってんの??」
オレはすぐに体を離すと、ケンジは唇を舌で舐めていた。
「ほら、もうすぐバレンタインだから。妖精’sに味見で先に食べられる前にチョコ貰っといた。」
「はぁ?おまえふざけんなよ。こんな事しなくたってちゃんと…あげるのに…てか…」
オレは今ケンジとキスをしちゃったんだよね。
不思議といやな気分とか無いんだけど、ケンジは気を抜くといつも突然にこういう事やってくるから心臓に悪い。
「もっとキスしたい?」
「バカ言うな。そういうのは、幼馴染じゃなくて、好きな女とやるもんだろ?」
オレは動揺した顔を見せたくないのでドキドキしながら厨房に戻る。
「だって俺、藤田が一番だし。」
「一番だしじゃないよ~。もう。出来上がるまで掃除でもしていて!」
これ以上ケンジに邪魔されないように仕事を押し付けて、再び混ぜていた卵をかき混ぜ始めた。
「藤田ってさケンジと出来てるんじゃないんだ。」
戻った瞬間にケロッとした表情で爆弾を落とした妹子ちゃん。
オレは思わずかき混ぜていたボウルを落としかけて、慌てて閻魔さん、鬼男君、太子さんがその下から持ち上げた。
「ち、違う!勘違いだ!オレはそんな事…」
「でも、ケンジは藤田が好きじゃん。いい加減、藤田も素直になれば?僕から見たら藤田もケンジの事好きにしか見えないよ。」
そして妹子ちゃんはフヨフヨ飛んでミニチュアハウスに入って行った。
お、オレもケンジが好きなのか?
そりゃぁ、昔からケンジにはチューとか良くされてたけど、それってふざけてるだけだと想ってたから本気に何てした事なかった。
でも、普通ならそんなことされたイヤだよな。
オレ、ケンジだから平気なのかな。
「鬼男君。どう思う?」
聞いてみたのは一番常識のありそうな鬼男君。すると、先に閻魔さんが口を挟んできた。
「いっぺんケンジに抱かれれば良いんじゃない?」
「イカ。黙れ。」
すぐさま閻魔さんは鬼男君に睨まれて同じようにミニチュアハウスへ帰ってしまう。
「まぁ、大王の手も一理ありますが…自分の知らない気持ちに素直になるのが一番だとおもいます。さぁ、時間が無いのでさっさと作りますよ。」
「う、うん。フォンダンショコラだね。」
「ねー鬼男君。」
さぁ、やるぞと改めて意気込んだ時に、再びやってきたのはカレーの香りを漂わせた妹子ちゃんだった。
「太子がまたアホみたいにカレーを作ったんだけど、今回ばかりは消費できないんだ。どうにかできないかな?」
という相談だった。
「うん。いいよ。これに使うから。」
そして鬼男君は今作っていたフォンダンショコラの生地に使うと言い始めた。
だってこれ、後はココアを混ぜてチョコを混ぜるだけなのに。
「えっ!?これに!?」
慌てて間違いじゃない事をを確かめれば、
「そ、これに。まぁ見てて、今からレシピ教えるし。」
と、言うのだ。でも、鬼男君が言うんだし、言うとおりに作れば間違いないんだと思う。
「これ作ったら、掃除が終わったケンジにあげなよ。んで一緒に二人でゆっくり食べて。きっと色々判ると思うから。」
「うん。」
「じゃぁ、レシピのおさらいね!」
準備するもの
ホットケーキミックス(40g)
または
小麦粉(35g)+ベーキングパウダー(5g)
卵 1
牛乳 大さじ1
砂糖 大さじ1
ココア 大さじ1
溶けた
カレールー大さじ1
バター 5グラム
板チョコ 40グラム
固まった
カレールー大さじ2
手順
カレールーについて。
溶けたカレールーは生地に、固まったカレールーは中に使います。
冷蔵庫等であらかじめ固めておくと使いやすいとおもいます。
1
卵と砂糖を白くなるまでかき混ぜます。
手でかき混ぜると疲れるので、なんとなくモッタリする程度で大丈夫です。
2
バターと牛乳をレンジで数秒温めて溶かし混ぜます。
3
粉の中に1と2を投入して混ぜ合わせます。
4
綺麗に混ざったら半分に分けます。
5
それぞれにココアと、カレールーを混ぜます。
6
用意する器はマグカップが丁度いいです。マグカップにバターを塗るか、クッキングシートを敷きましょう。
まずお玉1.5杯分を流しいれます
7
そこでお鍋にマグカップの3分の1ほど水を張り、カップを中に入れて5分ほどフタをして蒸します。
8
様子を見て表面が若干固まっていたら、板チョコと固まったカレールーを大さじ2杯ほど入れ、その上に残りの生地を流します。
9
再びフタをして、時々水が減っていないかを確かめながら20分ほど蒸します。
10
爪楊枝とかを刺してくっついてこなかったら完成です!
丁寧にマグカップから取り出して、生クリームと粉砂糖を上からまぶして見た目は充分綺麗になった。
のにもかかわらず、さっそくチョコの方を包丁で切ると、中からトロリとチョコが出てきた。
蒸しているから肉まんとか見たいな生地になっててたまにチョコが残ってるのもあるけど、これはレンジで温めたら良さそうだ。
「凄い!こっちはカレーマンみたいになってるし。」
「ね?人によってはボリュームがあるから、おやつになったり食事の片手間になったりするけど、おいしそうでしょう?」
「うん!ケンジも昼抜いたし、腹減ってると思うから、食べてくるよ!鬼男君、ありがとうね!」
「いや。藤田が上手くなってきたから僕たちも空腹が満たされてきたし。これにサラダつけてランチのセットにでもしたら?他は3時のケーキセットみたいな感じで紅茶と出すとかね。生地にピザソースを混ぜて、中にピザソースで作ったミートソースとチーズを入れてもかなり絶品だし。」
鬼男君はアイディアマンだなぁと、つくづく感心しているとケンジが掃除を終わらせたらしく喉が渇いたと背伸びをしながらやってきた。
「おー。藤田!うまそうなのつくってんじゃん!」
「お、おう!半分ずっこしようぜ!」
「藤田と半分…!?」
「おい。あらぬ妄想はやめろ。あげないぞ。」
「はいはい。」
「じゃぁ、手ぇ洗って、今日は店締めようぜ。上の部屋で一緒に食べよう。」
暖かい出来立てのフォンダンショコラとフォンダンカレーを皿に乗せて自宅である2階に上がる。
普段着く事の無い暖房とコタツ。電気は一個のみ。
代わりにダンボールやプチプチを窓に貼って断熱している。
「相変わらず貧乏やってんのな。」
「うるさいよ。」
そして二人で電気の入らないコタツにもぐりこむ。中には湯たんぽが置いてあってひとまずそれの取り合いになった。
「ちょっと!ケンジ!オレの湯たんぽ!」
「俺、客だもーん。」
「もーんじゃねぇし!」
湯たんぽの取り合いをコタツの中でやっていると段々と息が上がって暖かくなってくる。
「はぁ。何か、体暖まったな。」
「だね。あ、食べよう。」
「あぁ。いい匂いだな。食欲そそるよ。」
お皿に乗った二つのお菓子の匂いをかいでニコッと笑いかけてきた。
先ほどの事があってか、オレはその笑顔にいちいち反応してしまい、心臓がドキドキとなった。
おいしいって言ってくれるかな?
ちゃんと口に合うといいな。
これではまるで好きな人の告白の返事を聞くような心境じゃないか。
ケンジは今までだって初めて作ったものを食べてきた。別にそんなに緊張する事は無い。
でも、なんだかチョコレートのお菓子は特別な気分にさせるんだ。
普段から市販のチョコ菓子は食べてるけど、こうやって自分で別の味にしなおした。
同じチョコでも普通のものと違うんだ。
フォンダンショコラの生地をむしり、溶け出たチョコにつけて一口食べる。
「すげぇ!上手いよ!蒸してるのに本物見たいじゃん!」
それを聞いて、オレは安心しすぎてホッとコタツに体を埋めた。
「良かった…。」
「まぁ、鬼男のレシピのお陰だな。」
それを言われ、オレは少しムッと嫉妬した。
確かに鬼男君のお陰でこうやってケンジに美味しいって言ってもらえるものを作り出せてる。
だから鬼男君やそれに他のみんなにも感謝はしてる。だけど、一番に褒めてもらいたいんだ。
だからオレは思わず言ってしまった。多分これが、鬼男君の言っていた素直になるってことなんだと思う。
「オレは、鬼男君だって言ってない最高の隠し味入れてんだぞ!」
「はぁ?」
「ケンジが好きだから喜んで欲しいって気持ちこめてんだ。鬼男君のレシピに混ぜてんだから美味しくないわけ無いじゃねぇか」
言って恥ずかしくなった。何を言ってるんだオレは。
きっと顔が赤いから見られたくなくて、布団にもぐるようにコタツの中にもぐりこんだ。
それは言われたケンジも同じようで、いつもはケンジからチューしたり抱きついたりしてくるくせに、真っ赤になって固まっていた。
「何か言えよ…」
思わずコタツの布団から目玉を覗かせると、ケンジは「親友じゃなくなっちまうじゃねぇか」と呟いた。
オレとケンジはとっくに親友ではなかったのかもしれない。
作る料理が増えたお陰で町内の人たちのたまり場になりつつあるこの喫茶店。
しかし昼時、休み時が過ぎればあっという間に暇な時間がやってくるのだ。
そんな時に、テーブルに体を預けてだらけているケンジがオレを呼んだ。
「何?」
鬼男君に頼んでバレンタイン用のチョコデザートを練習している時だったので適当に返事を返す。
「藤田ぁ…こっち来いよ。」
「もう。オレ、今、頑張り中なの!」
「頑張り中って…余ったチョコポリポリ食べてる音しか聞こえねぇんですけど。」
オレは片手に持っていた余ったチョコを背中に隠しながらケンジの傍に立った。
「まぁ、座れ。」
そして言われるままに横に座ると、ちゅうっと唇を奪われた。
口の中でとろけたチョコを舌で奪われる。
「あの、ケンジ?何やってんの??」
オレはすぐに体を離すと、ケンジは唇を舌で舐めていた。
「ほら、もうすぐバレンタインだから。妖精’sに味見で先に食べられる前にチョコ貰っといた。」
「はぁ?おまえふざけんなよ。こんな事しなくたってちゃんと…あげるのに…てか…」
オレは今ケンジとキスをしちゃったんだよね。
不思議といやな気分とか無いんだけど、ケンジは気を抜くといつも突然にこういう事やってくるから心臓に悪い。
「もっとキスしたい?」
「バカ言うな。そういうのは、幼馴染じゃなくて、好きな女とやるもんだろ?」
オレは動揺した顔を見せたくないのでドキドキしながら厨房に戻る。
「だって俺、藤田が一番だし。」
「一番だしじゃないよ~。もう。出来上がるまで掃除でもしていて!」
これ以上ケンジに邪魔されないように仕事を押し付けて、再び混ぜていた卵をかき混ぜ始めた。
「藤田ってさケンジと出来てるんじゃないんだ。」
戻った瞬間にケロッとした表情で爆弾を落とした妹子ちゃん。
オレは思わずかき混ぜていたボウルを落としかけて、慌てて閻魔さん、鬼男君、太子さんがその下から持ち上げた。
「ち、違う!勘違いだ!オレはそんな事…」
「でも、ケンジは藤田が好きじゃん。いい加減、藤田も素直になれば?僕から見たら藤田もケンジの事好きにしか見えないよ。」
そして妹子ちゃんはフヨフヨ飛んでミニチュアハウスに入って行った。
お、オレもケンジが好きなのか?
そりゃぁ、昔からケンジにはチューとか良くされてたけど、それってふざけてるだけだと想ってたから本気に何てした事なかった。
でも、普通ならそんなことされたイヤだよな。
オレ、ケンジだから平気なのかな。
「鬼男君。どう思う?」
聞いてみたのは一番常識のありそうな鬼男君。すると、先に閻魔さんが口を挟んできた。
「いっぺんケンジに抱かれれば良いんじゃない?」
「イカ。黙れ。」
すぐさま閻魔さんは鬼男君に睨まれて同じようにミニチュアハウスへ帰ってしまう。
「まぁ、大王の手も一理ありますが…自分の知らない気持ちに素直になるのが一番だとおもいます。さぁ、時間が無いのでさっさと作りますよ。」
「う、うん。フォンダンショコラだね。」
「ねー鬼男君。」
さぁ、やるぞと改めて意気込んだ時に、再びやってきたのはカレーの香りを漂わせた妹子ちゃんだった。
「太子がまたアホみたいにカレーを作ったんだけど、今回ばかりは消費できないんだ。どうにかできないかな?」
という相談だった。
「うん。いいよ。これに使うから。」
そして鬼男君は今作っていたフォンダンショコラの生地に使うと言い始めた。
だってこれ、後はココアを混ぜてチョコを混ぜるだけなのに。
「えっ!?これに!?」
慌てて間違いじゃない事をを確かめれば、
「そ、これに。まぁ見てて、今からレシピ教えるし。」
と、言うのだ。でも、鬼男君が言うんだし、言うとおりに作れば間違いないんだと思う。
「これ作ったら、掃除が終わったケンジにあげなよ。んで一緒に二人でゆっくり食べて。きっと色々判ると思うから。」
「うん。」
「じゃぁ、レシピのおさらいね!」
準備するもの
ホットケーキミックス(40g)
または
小麦粉(35g)+ベーキングパウダー(5g)
卵 1
牛乳 大さじ1
砂糖 大さじ1
ココア 大さじ1
溶けた
カレールー大さじ1
バター 5グラム
板チョコ 40グラム
固まった
カレールー大さじ2
手順
カレールーについて。
溶けたカレールーは生地に、固まったカレールーは中に使います。
冷蔵庫等であらかじめ固めておくと使いやすいとおもいます。
1
卵と砂糖を白くなるまでかき混ぜます。
手でかき混ぜると疲れるので、なんとなくモッタリする程度で大丈夫です。
2
バターと牛乳をレンジで数秒温めて溶かし混ぜます。
3
粉の中に1と2を投入して混ぜ合わせます。
4
綺麗に混ざったら半分に分けます。
5
それぞれにココアと、カレールーを混ぜます。
6
用意する器はマグカップが丁度いいです。マグカップにバターを塗るか、クッキングシートを敷きましょう。
まずお玉1.5杯分を流しいれます
7
そこでお鍋にマグカップの3分の1ほど水を張り、カップを中に入れて5分ほどフタをして蒸します。
8
様子を見て表面が若干固まっていたら、板チョコと固まったカレールーを大さじ2杯ほど入れ、その上に残りの生地を流します。
9
再びフタをして、時々水が減っていないかを確かめながら20分ほど蒸します。
10
爪楊枝とかを刺してくっついてこなかったら完成です!
丁寧にマグカップから取り出して、生クリームと粉砂糖を上からまぶして見た目は充分綺麗になった。
のにもかかわらず、さっそくチョコの方を包丁で切ると、中からトロリとチョコが出てきた。
蒸しているから肉まんとか見たいな生地になっててたまにチョコが残ってるのもあるけど、これはレンジで温めたら良さそうだ。
「凄い!こっちはカレーマンみたいになってるし。」
「ね?人によってはボリュームがあるから、おやつになったり食事の片手間になったりするけど、おいしそうでしょう?」
「うん!ケンジも昼抜いたし、腹減ってると思うから、食べてくるよ!鬼男君、ありがとうね!」
「いや。藤田が上手くなってきたから僕たちも空腹が満たされてきたし。これにサラダつけてランチのセットにでもしたら?他は3時のケーキセットみたいな感じで紅茶と出すとかね。生地にピザソースを混ぜて、中にピザソースで作ったミートソースとチーズを入れてもかなり絶品だし。」
鬼男君はアイディアマンだなぁと、つくづく感心しているとケンジが掃除を終わらせたらしく喉が渇いたと背伸びをしながらやってきた。
「おー。藤田!うまそうなのつくってんじゃん!」
「お、おう!半分ずっこしようぜ!」
「藤田と半分…!?」
「おい。あらぬ妄想はやめろ。あげないぞ。」
「はいはい。」
「じゃぁ、手ぇ洗って、今日は店締めようぜ。上の部屋で一緒に食べよう。」
暖かい出来立てのフォンダンショコラとフォンダンカレーを皿に乗せて自宅である2階に上がる。
普段着く事の無い暖房とコタツ。電気は一個のみ。
代わりにダンボールやプチプチを窓に貼って断熱している。
「相変わらず貧乏やってんのな。」
「うるさいよ。」
そして二人で電気の入らないコタツにもぐりこむ。中には湯たんぽが置いてあってひとまずそれの取り合いになった。
「ちょっと!ケンジ!オレの湯たんぽ!」
「俺、客だもーん。」
「もーんじゃねぇし!」
湯たんぽの取り合いをコタツの中でやっていると段々と息が上がって暖かくなってくる。
「はぁ。何か、体暖まったな。」
「だね。あ、食べよう。」
「あぁ。いい匂いだな。食欲そそるよ。」
お皿に乗った二つのお菓子の匂いをかいでニコッと笑いかけてきた。
先ほどの事があってか、オレはその笑顔にいちいち反応してしまい、心臓がドキドキとなった。
おいしいって言ってくれるかな?
ちゃんと口に合うといいな。
これではまるで好きな人の告白の返事を聞くような心境じゃないか。
ケンジは今までだって初めて作ったものを食べてきた。別にそんなに緊張する事は無い。
でも、なんだかチョコレートのお菓子は特別な気分にさせるんだ。
普段から市販のチョコ菓子は食べてるけど、こうやって自分で別の味にしなおした。
同じチョコでも普通のものと違うんだ。
フォンダンショコラの生地をむしり、溶け出たチョコにつけて一口食べる。
「すげぇ!上手いよ!蒸してるのに本物見たいじゃん!」
それを聞いて、オレは安心しすぎてホッとコタツに体を埋めた。
「良かった…。」
「まぁ、鬼男のレシピのお陰だな。」
それを言われ、オレは少しムッと嫉妬した。
確かに鬼男君のお陰でこうやってケンジに美味しいって言ってもらえるものを作り出せてる。
だから鬼男君やそれに他のみんなにも感謝はしてる。だけど、一番に褒めてもらいたいんだ。
だからオレは思わず言ってしまった。多分これが、鬼男君の言っていた素直になるってことなんだと思う。
「オレは、鬼男君だって言ってない最高の隠し味入れてんだぞ!」
「はぁ?」
「ケンジが好きだから喜んで欲しいって気持ちこめてんだ。鬼男君のレシピに混ぜてんだから美味しくないわけ無いじゃねぇか」
言って恥ずかしくなった。何を言ってるんだオレは。
きっと顔が赤いから見られたくなくて、布団にもぐるようにコタツの中にもぐりこんだ。
それは言われたケンジも同じようで、いつもはケンジからチューしたり抱きついたりしてくるくせに、真っ赤になって固まっていた。
「何か言えよ…」
思わずコタツの布団から目玉を覗かせると、ケンジは「親友じゃなくなっちまうじゃねぇか」と呟いた。
オレとケンジはとっくに親友ではなかったのかもしれない。
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