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こちらは二次創作サイト兼お料理ブログとなっています。
CPはギャグ/日のケン藤です。

 オレの名前は藤田。
 めっきり上がらない料理の腕前に日々愕然としながら過ごしている。

「あーもう!新年早々辛気臭いよ!ため息つくくらいなら何か新しい料理にでもチャレンジしてみたら?」

 そんな事を言うのは親友のケンジでも、常連さんでもなく、この店に住んでいるお料理の妖精さん。
 赤いスカーフのシェフ、妹子ちゃんである。

 妹子ちゃんはその小さな体を大げさに怒らせ、腰に手を当てて盛大なため息をついた。
 オレのため息に耐えきれなくなったらしい。
 そして妹子ちゃんにつられてやってきたのは太子さんだ。
 相変わらず妹子ちゃんにべったりくっついて離れない。

「いい加減にしてくださいよ。肉たたきで殴るよ?」
「妹子の愛なら私は存分に受け止めてやるぞ!」

 そんな会話がいつも繰り広げられている。
 妹子ちゃんの言葉は嫌がってるけど、その表情はポッと赤くなっていて、太子さんに抱きつかれたりされる事が本当は嬉しいんだろうなというのがわかる。いわゆるツンデレってやつなのだろう。
 この二人を見ていると、オレまでなんだかほっこりと癒される。
「あ、妖精を見つめる藤田ゲットン!」

 そして相変わらずなのがケンジ。
 二人を見ていたオレをいろんな角度から無言で撮り進めている。

「そう言えば藤田。お前、あれどうするんだ?」

 そう言って、ケンジが示すのは余ったおせち料理。
 残ってるのは酸っぱくて食べるのを戸惑うナマスと黒豆ばかり。
 しかも4家庭分はある。
 近所の人たちがタッパーに入れておせち料理を分けてくれるんだけど、どの家庭もナマスと黒豆が入っている。
 上手い具合に処理されてる気分だ。

「ナマスは酸っぱいし、黒豆は甘いしお腹にたまって食べたくなくなるし、カマボコとかはさぁ良い具合に食べきれるけど、もう無理だよ…」

 この大量に余った料理のせいで、この店は全体的に酸っぱい匂いが充満している。

「大根と人参の酢漬けに、藤田が唯一扱えるトマト系の料理、何か組み合わせられないか?」

 オレの代わりにケンジが二人に聞いてくれた。
 俺は冷蔵庫から食べきれないナマスと黒豆を取り出した。

「…あ、これなら上手く行くかも。カポナータ。どうかな?」
「かぽなーた??」

 はじめて聞いたその料理に、オレとケンジは首をかしげた。

「まぁ簡単にいえば、野菜の炒め煮だよ。基本的に酢を入れるとカポナータになって、入れないとフランスのラタトゥユになるんだけど、まぁ、今から作るのは酢漬けた野菜を混ぜるからカポナータって事で。」
「今ある材料で作れそう?」

 厨房の野菜庫を開けると、冷たいそよ風がふわりと流れ込んできた。
 妹子ちゃんは赤いスカーフを首に巻きなおして中に入り、野菜を物色する。

「まぁ、トマトはいつもあるから良いでしょう?ふんふん…ズッキーニ以外は大体揃ってるね。」

そんなわけで準備したのはこの食材だ。


2食強分
ナス1本 トマト小3 人参1本 玉ねぎ1/4個 パプリカ1個
ニンニク1欠 ベーコン3枚 コンソメ1個 余ったナマス 


手順としては先に玉ねぎ人参を切って、ラップしてレンジで4分ぐらい加熱して、その間に他の野菜を切ると効率が良くなるよ!
野菜はこんな感じに大きく乱切りします。
今回トマトは皮つきのまま。もし皮がいやなら前回の湯むきをしてください!
ナスを食べて喉痛くなる人っている?オレはそうなんだけど、もしそうなるなら30分以上水に漬けてみて!アク(?)が抜けて痛くなくなるよ!
オレだけだったら意味ない情報だけど。

ニンニクはみじん切り。ベーコンは普通に短冊状でオッケイだよ。

温めたフライパンにオリーブ油を敷いて、匂いが出てくるまでニンニクを炒めます!匂いが出たらベーコンを投入してね。

そして野菜をいれます!揚げ物が出来る人は先にナスを素揚げしておくと、より本格的なものになるんだって!
野菜に火が通るように蓋もします。

5分くらいで火が通ったのを確認して、ナマスを絡めて、トマトを入れます。まだ蓋をして10分から15分煮込むとトマトソースに早変わり!
小さく刻んだコンソメを入れて、塩で味を調えます。

しばらくかき混ぜて味を均等にしたら出来上がり!




「これにチーズをのせてトースターやオーブンで焼いてもまた違っておいしいよ」

 妹子ちゃんの手順どおりに作ったカポナータ。
 トマトの酸味と甘みが程良く効いていて、一緒にパンやご飯が食べたくなる。

「んまぁい!」
「んまぁい藤田もいただき。」

 ケンジはナスをほおばるオレの写真をカシャリと撮った。
 料理中の写真も撮りまくるし、あの携帯が壊れたらケンジはどうなってしまうんだ。

「さすが妹子だな。見事に和食と洋食を組み合わせて…あ、そうか妹子!これは私(和食)と妹子(洋食)の交わりだぞ!」
「気持ちの悪い話はやめろ。」

 ケンジは二人をつまみあげて作ってあげたミニチュアハウスの中へ押し込めた。

「その中で勝手にいちゃいちゃしてろ。」
「(あっ…やめっ…太子…アァん!)」

 早速その交わりとやらが聞こえてきて、オレたちは苦笑いを浮かべてミニチュアを違う場所へ移動させた。

「これもメニューに追加だな。」

 そう呟きながら食べているとケンジは「ナマス作るのか?」と肝心な事を聞いてきた。
 絶対無理。これはナマスが余ったときにしか使えないし…。
 そんな時に、現れたのが鬼男君と閻魔さん。

「そのメニューだったら大さじ3杯位酢を混ぜれば良いみたいだよ。」
「そうなの?ありがとう!!」
「で?お前らは何してくれるために出てきたんだ?」
「いえ。黒豆が残っているとおっしゃってたので、上手く活用する方法を見つけたので教えにきました。」

 鬼男君は1カ月たった今でも少し肩ぐるしいしゃべり方をしてくる。彼のまじめさがしゃべりでひしひしと伝わってきた。

「じゃぁ、そっちはそっちで又教えてもらおうぜ!」

 ケンジはのりのりで携帯のカメラをこちらへ向けた。
 
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